前立腺がん検診(PSA検査について)
~前立腺がんの早期発見のために~
PSA(前立腺特異抗原:Prostate-Specific Antigen)は前立腺から分泌される特有のタンパクで、その殆どは精液に排出され、ゲル状化を促して精子の活動を補助すると考えられています。PSAは血液中にも僅かに入るため、前立腺の病気を検出するのに広く利用されるようになりました。
PSAが高くなる主な病気は3つです
- 前立腺がん
- 前立腺肥大症
- 前立腺炎
PSAの基準値は4ng/ml以下ですが(若年者は3.0ng/ml)、基準値を超えたからすぐに前立腺がんが有るというわけではありません。例えば急性の前立腺炎を生じると30~50ng/mくらいまでPSAが上昇することもあります。このように、PSAは前立腺容量の増大(肥大症)や、炎症を起こしても上昇するため、どのように推移するか経過観察することも大切です。PSAの値も参考にしながら前立腺がんが疑われる場合には、MRI等の画像検査や、前立腺生検を行い確定診断を行います。
国立がん研究センターのがん登録データによれば、男性が罹患する「悪性腫瘍(がん)」の中では前立腺がんが第1位です。なお、第2位は胃がん、第3位は大腸がんとなっております。医療の進歩により早期がんは治癒が期待できますので、定期健診を行いましょう。
文責
ほその内科おなかクリニック
院長 細野 智子
- 医学博士
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化管学会胃腸科専門医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本内科学会認定内科医
- 緩和ケア講習会修了
- 日本泌尿器科学会専門医(〜平成29年)