便秘・下痢外来について
慢性の便秘、下痢は
仕事・趣味・旅行、あらゆる場面に
悪影響をおよぼす病気です。漫然と市販のお薬や健康食品で
様子をみていませんか?
下記のような経験がお有りの方は当院へお気軽にご相談ください。
慢性の便秘や下痢は生命に危険を及ぼすものはまれですが、反対に多くの便秘・下痢症の方の生活には悪影響を及ぼします
- トイレがないと困るから旅行は控えている
- 水泳が趣味だが、お腹が冷えると下痢をしてしまう
- 仕事中はトイレでゆっくり排便ができないから、週末に下剤で出し切るようにしている
こういった経験がお有りの方は、当院へお気軽にご相談ください。
便秘・下痢の原因は?
原因は様々ですが、生活習慣やストレスからおこる過敏性腸症候群(便秘も下痢も起こります)や、中には大腸がんや炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)と呼ばれる腸の病気、パーキンソン病や甲状腺、膠原病などの全身の病気が隠れている場合もあります。
服薬中のお薬や健康食品が原因の事もあります。
当クリニックでは、その原因をしっかりと調べ、患者さま一人ひとりの状態に合わせて治療を行っていきます。また、その場しのぎのお薬や、漫然と同じ薬を処方するのではなく、いかに長期的に薬を減らせるか、という事を治療目標においております。
便秘・下痢の検査は?
- 問診 問診は便秘・下痢の原因把握には非常に重要です。便の性状や回数、腹痛の有無や食事内容、ストレスの状態の確認を行います。
- 腹部X線(レントゲン) 特に便秘症の場合、立位と臥位の状態で検査することで、ある程度、腸のガスの貯まり具合や宿便の量、腸の形を調べることができます。
- 血液検査 糖尿病や甲状腺などの便秘・下痢を起こす全身の病気がないかを調べます。
- 便培養 特に下痢症の場合は、原因となる腸内細菌の増殖がないかを調べます。
- 大腸カメラ 大腸がんや、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患などの病気がないかを確認します。便秘症の方の場合は、腸管の長さや弛緩具合もわかります。ある種の下剤を連用している場合は、特徴的な所見(メラノーシス)も確認できます。
便秘・下痢の治療には医療者側・患者さん側双方とも根気が要ります。
体質改善には半年から1年くらいかかる事もあります。
あきらめずに一緒にがんばりましょう。
コラム
~突然ですが、私(院長)、生粋の便秘症です~
中学の頃は、休憩時間の10分で排便をするのが難しく、便意があるときは大変でした。
また、中学生は友達と「連れ立って」トイレに一緒に行くものですからそれもすごくプレッシャーだったのを覚えております。
緩下剤などを使用し始めたのは大学生の頃で、研修医の頃からは一旦便秘症はなくなったのですが、35歳頃からまたお薬が必要になってきました。
大腸カメラを今まで2回、ベテランの先生方にしていただき、自分の目でもリアルタイムで確認しました(笑)が、どうやら私の大腸は、ぶらーんとお腹のなかで固定されずにいる固定不全があり、また腸管自体が普通よりも長く、そこに運動量の低下やストレス、食物繊維の摂取量の低下などが重なると容易に便秘を発症してしまうようです。ちなみに、大腸カメラの挿入には1回目10分、2回目は25分かかりました(普通は2分〜3分です)。固定不全があると、腸はくねくねと曲がり、大腸カメラの挿入にも時間がかかりますし、便秘にもなりやすい大腸です。
話がそれましたが、固定不全や腸の長さは変えることはできませんから、自分の体質を受け入れて、整った生活習慣を保つようこころがけています。
それでも、少し便秘かなというときには、自分にあったお薬を調整し「気づいたら1週間便が出てない!」なんてことがない生活を過ごせております(昔はよくありました)。
便秘薬は、同じ様に使用しても効果が人によって違いますし、同じ人でも食事や運動など他の要因で効果が一定しないものです。お薬をただ処方するのではなく、ご自身の体質を確認してもらい、ご自身が服用している薬の内容、組み合わせの仕方を理解してもらえるよう同じ便秘仲間として手助けできればと思います。
文責
ほその内科おなかクリニック
院長 細野 智子
- 医学博士
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化管学会胃腸科専門医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本内科学会認定内科医
- 緩和ケア講習会修了
- 日本泌尿器科学会専門医(〜平成29年)