花粉症について
せっかくの春爛漫に、花粉症の症状はつらいですよね。
「鼻水がでる」、「鼻が詰まる」ような鼻炎を大雑把に分類すると、風邪などの「感染性鼻炎」とそれ以外の「過敏性鼻炎」に分類されます。
過敏性鼻炎の中でもアレルギーによって起こる季節性アレルギー性鼻炎が花粉症であり、他の粘膜でも炎症を起こし「目がかゆい」などの症状も引き起こします。
花粉にはたくさんの種類があり、季節だけなく地域によっても異なります。春の花粉症ではスギ、ヒノキが有名です。特にスギは戦後の天然林伐採跡地(はげ山)に対する植林政策によって、全国どこでもスギ林が作られてしまったことによります。
また、関西では8月頃から10月にかけてブタクサやヨモギの花粉によって花粉症が引き起こされます。イネ科の花粉はほぼ一年中飛んでいます。
そして、西宮市を含む六甲山周辺地域では、3月~5月頃はカバノキ科(ヤシャブシ)による花粉症の方も多くみられます。
検査および診断
皆さんご自身で花粉症だと診断されているかもしれません。
厳密に診断するのであれば「鼻づまり」や「目のかゆみ」など花粉症の症状に加えて、アレルゲンとして花粉が同定できれば確定診断にいたります。また、花粉症と似た症状をおこす病気に、ハウスダストやダニ、カビなど他のアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎があります。
アレルギー検査キット View39(アレルゲン39項目)
食べ物アレルギーやじんましん、花粉症、通年性鼻炎などにお困りで、アレルゲン(アレルギーの元になる物質)がはっきりしない方に行います。一度の採血で花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサなど8項目)だけでなく、食物アレルゲン(ソバ、小麦、エビ、牛乳、卵などを含む20項目)、環境アレルゲン(ダニ、猫、犬)などを含む代表的なアレルゲンを同時に調べることができます(特異的IgE抗体を測定します)。
治療
アレルギーの一番の治療は、アレルゲンへの暴露を避けることが重要になります。
しかしながら、花粉症はそれが難しいことが多いため、あらかじめ花粉が飛ぶ時期より早い時期からアレルギーを抑える薬を服用することが重要です。
一般的には、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、短期使用のステロイド製剤などの薬剤が使用されます。また、目や鼻などの局所的な症状に対しては、抗炎症作用をもつ目薬および点鼻薬を使用します。スギ花粉など特定のアレルギーに対しては、アレルゲン免疫療法(減感作療法)も行われます。
文責
ほその内科おなかクリニック
院長 細野 智子
- 医学博士
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化管学会胃腸科専門医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本内科学会認定内科医
- 緩和ケア講習会修了
- 日本泌尿器科学会専門医(〜平成29年)