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膵のう胞性疾患

消化器内科

膵のう胞性疾患について

膵のう胞性疾患について

~わたしの膵のう胞、放っておいても大丈夫?~

検診などで「膵のう胞」または「膵のう胞性疾患」と診断される方が増えています。検診の数が増えたことに加えて医療機器の発達により膵のう胞を見つけやすくなったことも一因です。もともと膵臓は体の深い部位にあるため、通常の膵臓癌を含めて病気が見つけることが難しい臓器です。
膵のう胞を検診で指摘された方は、過度に恐れる必要はありませんが、正しく病気を理解しておきましょう。

膵のう胞性疾患の分類

嚢胞(のうほう)とは「液体の入った袋」です。サラッとした「水の溜まった袋(A)」である場合と、できもの(腫瘍性病変)が作り出す「ドロっとした粘液のたまった袋(B)」である場合があります。

(A)炎症性嚢胞や先天性嚢胞

急性膵炎、慢性膵炎後、外傷後等にできる「仮性嚢胞」と先天性の「真性嚢胞」があります。経過観察や治療が必要なこともありますが、多くは心配ありません。

(B)腫瘍性の嚢胞

経過観察、もしくは治療が必要な嚢胞で注意が必要です。
腫瘍性病変が発端となってできる嚢胞で「腫瘍(できもの)」が主体であるため、嚢胞性腫瘍(嚢胞をともなう腫瘍)と分類されます。つまり、良性腫瘍なのか悪性腫瘍なのかが重要になります。

膵のう胞のイラスト

膵臓の腫瘍性嚢胞は以下の種類があります。

  • IPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm)・・・膵管内乳頭粘液性腫瘍
  • MCN(mucinous cystic neoplasm)・・・粘液性嚢胞腫瘍
  • SCN(serous cyst neoplasm)・・・漿液性嚢胞腫瘍
  • SPN(Solid-pseudopapillary neoplasm)・・・充実性偽乳頭腫瘍

この中で最も頻度の高いのがIPMNです。

このIPMNは1980年代に日本が先駆けて世界に発表した疾患ですが、2000年代になっても治療方針は試行錯誤していました。2006年に初めてIPMN治療ガイドラインが作られましたが、当時は最もページ数の少ないガイドラインで内容もペラペラでした。膵嚢胞の一部は癌化することは知られていましたが、経過観察の方法や手術適応なども曖昧で、膵嚢胞の取り扱いには苦労したのをよく覚えています。膵臓癌は特に早期手術が重要な病気ですが、胃癌や大腸癌の手術より複数の臓器にわたる手術になりますので合併症などを考えると手術の適応には慎重を要します。その後、医学の進歩と症例の積み重ねによって2012年、2017年とガイドラインの改訂がなされ、少しずつIPMNの病態が明らかになってきました。

~IPMNのついて~

IPMNの分類には発生の仕方により(1)分枝型IPMNと(2)主膵管型IPMNの2つに分類され、病気に対するアプローチの仕方が変わります。検査としては、超音波、造影CT、MRI、EUS(超音波内視鏡)などが行われます。

(1)分枝型IPMN

膵臓の分枝膵管から発生し、隣り合う嚢胞が重なり合ってブドウの房のように見えることもあります。嚢胞の大きさを参考にして癌化するサインがないか慎重に確認し、お一人お一人によって経過観察の仕方が変わります。例えば、嚢胞の大きさが3cmを超えるものは以前は外科的手術の対象でしたが、最新のガイドラインでは大きくなっても嚢胞の中にポリープ様の腫瘍(壁在結節といいます)がない限り、癌化の可能性は低く基本的には経過観察が推奨されています。しかし、年齢が若ければ経過観察の期間も長くなりますのでポリープが確認されなくても嚢胞径が2〜3cmの段階で手術の検討がなされます。

(2)主膵管型IPMN

主膵管から発生し、ドロっとした粘液を産出するようになります。膵管は1〜2mm程度の太さなので、すこし粘稠な膵液になるだけで流れが停滞し、拡張していきます(内径が大きく、太くなります)。5mmを超えるようになると主膵管型のIPMNと診断され、癌化のするサインがないか注意深く観察する必要があります。分枝型より主膵管型の方が癌化しやすいため、より慎重な対応が必要になります。

IPMNについての注意

IPMNは嚢胞が癌化しないかに配慮して経過観察していきますが、嚢胞とは別に通常の膵臓癌が発生する確率が高いという点にも注意が必要です。手術がなされた分枝型IPMNの統計では、これまでの10年間で通常型膵臓癌との合併率は平均で4.4%程度とされています。95%以上は問題ないとも言えますが、無視できない数字でもあります。そのため、たとえ嚢胞の大きさが小さくても年に1〜2回程度は画像検査を行なったほうが良いでしょう。

~その他の腫瘍性嚢胞疾患について~

1. MCN(粘液性嚢胞腫瘍)

IPMNは膵管から発生しますが、MCNは膵管との交通はありません。多くは膵臓の後ろの方、体尾部より発生して比較的分厚い繊維被膜で覆われており、IPMNが「ぶどうの房」のように例えられるのに対して「みかん」様の形状であることが多いです。MCNは癌化する可能性が高く、外科的切除する方針の施設が多いと思われますが、切除後の病理結果では浸潤癌であることが5〜16%と低いとする報告もあり曖昧な部分もあります。

2. SCN(漿液性嚢胞腫瘍)

小さい嚢胞が多数集まって形成されます。漿液性であるため、嚢胞の中身もドロドロではなくサラサラです。癌化する可能性は低いとされていますが、大きくなって周囲の組織を巻き込んだりすることもあり、位置・大きさ・性状により外科的切除が必要になることもあります。

3. SPN(充実性偽乳頭腫瘍)

非常に稀な疾患です。若い女性に多く悪性度は低いとされていますが、切除で治癒が期待できるため外科的治療が行われる場合もあります。

当院では、血液検査・超音波検査による膵臓癌の早期発見、膵嚢胞性疾患の定期検査にも力を入れております。また、必要に応じてCTやMRI等の画像検査を行い総合的に対応させて頂きますので、お困りの際にはお気軽にご相談ください。

文責

ほその内科おなかクリニック

院長 細野 智子

  • 医学博士
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化管学会胃腸科専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 緩和ケア講習会修了
  • 日本泌尿器科学会専門医(〜平成29年)
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