こんにちは。
もう3月ですが今年1回目のブログ更新となりました。

今回は「大腸メラノーシス」についでです。
当院の大腸カメラでは時折「大腸メラノーシス」の患者様がおられます。

具体的には、
「大腸の粘膜が日焼けしたように浅黒くなっている」状態をメラノーシスと診断します。
まず、正常粘膜とメラノーシスの方の写真を比べてみましょう。

●大腸正常粘膜
大腸正常粘膜画像

●メラノーシス
メラノーシス画像

加工をしたわけではなく、同じ条件のお写真です。
メラノーシスの方は色も黒くひび割れたようなあつぼったい粘膜です。

なぜこのような事がおこるのでしょう?

便秘薬イメージイラスト「メラノーシス」といういかにもメラニン色素が影響していそうな名前ですが、大腸メラノーシスの場合はリポフスチンと呼ばれる色素が沈着しており厳密には「偽メラノーシス」です。
炎症性腸疾患などが原因となることも稀にありますが、ほぼ100%この「大腸メラノーシス」の原因はある種の刺激性下剤の多量・長期服用です。

刺激性下剤には大きく分けて2種類あり、その中でもアントラキノン系に分類される大黄、センナ(プルゼニド・センノシド)、アロエがメラノーシスの原因になります。「おなかスッキリ」「快便」などと表示のあるお茶やサプリメントにも含まれていることがありますので注意しましょう。
週に1度程度の使用であれば特に問題はないのですが、毎日服用・摂取すると1年ほどでメラノーシスが起こってきます。

メラノーシスになると困ることはあるのでしょうか?

毎日こういった刺激性下剤を服用・摂取中の方は、「大腸粘膜が黒くなったなぁ。」と感じることはないでしょうが、「最近、いつもの下剤が効きにくくなったなぁ。」と感じてはいませんでしょうか?

アコーディオンイメージイラスト下剤の長期連用により色素沈着のみでなく、大腸の平滑筋や蠕動運動を調整する神経叢が障害されていきます。その結果、大腸は協調性のある運動(蠕動運動)ができなくなり、だらーっとたるんで膨らんでしまいます。たるんで膨らんだ結果、腸管自体が長くなりどんどん便秘が悪化し、下剤の量が増えていく悪循環にはまってしまいます。本来なら縮んでいる蛇腹がのびきったようなイメージです。

大腸メラノーシスは治るのでしょうか?

はい、治ります!

アントラキノン系下剤の使用をやめて1年ほどするとメラノーシスはだいぶ取れてきます。そして腸管のたるみ(弛緩)も改善します。

ただ、ここで問題があります。
そもそも便秘症でこういった下剤や食品を連用せざるを得なかったわけですし、長期連用により便秘症自体は以前より悪くなっています。つまり、いきなり刺激性下剤をやめると全く便が出ない可能性が高いです。

1年後の大腸カメラを楽しみに?イメージイラスト こういう方は、大腸メラノーシスを起こす心配のない薬剤を使用しながら徐々に刺激性下剤の使用を減らしていくのが良いでしょう。
体質改善には半年程度は最低でも必要です。どんなに濃いメラノーシスでも徐々に色素はとれていきますので、1年後の大腸カメラを楽しみに?お薬の調整を行いましょう。