検診や人間ドックが普及し、症状のない胆石を指摘される方が昔より増えました。

ある日本人の統計(23,000名規模)では5%の患者さんに胆石がみつかったと報告されています。身近な病気ですので、基礎知識を覚えておきましょう!

患者Q
症状がなかったら放っておいてよいですか?
ドクター
ほとんどの胆石は何も治療をせずに様子をみて大丈夫です。
患者Q
胆石の症状とはどんなものがありますか?
ドクター
基本的に無症状です。軽い症状であれば、右季肋部(右肋骨の下あたり)の違和感や軽い疼痛・吐き気で、典型的な場合は食後に起こります。
患者Q
どういう場合に治療が必要ですか?
ドクター
症状がある場合や、胆のう癌との併存が疑われる場合です。
また、胆石が下流に落ちて「胆嚢頚部嵌頓」「総胆管結石」などになると緊急の処置を必要になることがあります。
胆のう
患者Q
胆石だけを取ることはできませんか?
ドクター
胆石ができやすい理由が胆嚢にあるため(胆嚢の機能が落ちている、胆汁がドロドロして胆石の元になる物質がいっぱいある)、仮に胆石だけを取り除く手術をしてもまた胆嚢内に胆石が再発してしまいます。
ですので、胆石の治療=胆嚢摘出術になります。
患者Q
胆嚢がんになりやすいですか?
ドクター
胆石がある人が胆嚢がんになりやすいという報告はありません。
ただし、胆囊がんがある人は胆囊の機能が落ちており胆汁が停滞して胆石が併発することはあり得ます。
胆嚢がんについて
患者Q
胆石を溶かすことはできませんか?
ドクター
小さい胆石で条件が揃えば、ウルソデオキシコール酸という薬で完全溶解させることができますが、残念ながら成功率は高くはありません(24〜38%)。そして、ウルソを内服するのをやめると10年で60%ほどの方に胆石が再発するという報告があります。
患者Q
胆石は予防できますか?
ドクター
気をつけていても、体質的にできてしまう方がおられます。
特に女性は、閉経後に女性バランスの変化の影響で胆石ができやすくなります。

注意できるものとしては・・・

  • 脂質異常症(特に中性脂肪の高い方)は、治療を行いましょう。
  • 動物性脂肪や炭水化物、糖質の過剰摂取は控えましょう。
  • 夜間の長時間にわたる絶食や極端な低カロリーダイエットは控えましょう(食事をしないため胆嚢に濃縮した胆汁が貯まりっぱなしになります。)
  • くだもの、野菜、食物繊維や不飽和脂肪酸を摂るようにしましょう。
  • アルコールと胆石は因果関係がないとされていますが、アルコールの過剰摂取は中性脂肪が高くなったり、他の病気を引き起こす事もありますので、適度に摂取しましょう。
ドクター
もっと詳しく知りたい方は、『胆石』についてのページも御覧くださいね。

当院では、超音波検査による胆石の診断や定期検査を行なっております。
また、必要に応じてCTやMRI等の画像検査、胆石溶解療法を行なっております。右上腹部の不快感や腹痛がある、胆石と診断されたが最近検査を行なっていないなど、お困りの際にはお気軽にご相談ください。