こんにちは。
梅雨が今年もあっさりと過ぎ去り、酷暑が到来しそうですね。
水不足も心配されますが、皆様こまめな水分摂取、日中は暑さ・だるさを感じたら無理はしないように致しましょう。

さて、今日のトピックスは「血圧測定」についてです。
血圧測定は健康管理の基本ですね。
今回はそんな血圧をどう測るのがベストなのかについてお話しします。
診察時にも血圧を測定致しますが、実は家で測る「家庭血圧」の方が圧倒的に優れています。今回は論文等の難しい話は「なし」ですのでさらっと読んでぜひ日常にお役立てください。

患者Q
家庭血圧の優れている点は?
ドクター
1日何度でも毎日測定できる点です。続けることができれば、毎日ではなくても血圧の平均が分かります。診察室で測る血圧は、1~2か月に1~2回かぎりです。診察室では実際よりも血圧が高めになることもよくあります(白衣高血圧)。高血圧のガイドラインでも診察室血圧より家庭血圧が優れていると明記されています。
患者Q
正しい血圧の測定方法は?
ドクター
リラックスして座った状態で、測定する部位を心臓の高さにしましょう。血圧は重力の影響を受けるので、腕を心臓より低くすると「血圧は高めに」、腕を心臓より高く上げると「血圧は低め」に測定されます。寝て測定しても良いのですが、座って測るよりも少し高めにでます。
患者Q
測定する姿勢で血圧は変わるの?
ドクター

血圧測定イメージイラスト寝ている姿勢が最も血圧が高くなります。
寝る > 座る > 立つの順で血圧が低くなります。体を起こしていくと、重力の影響で足に向かった血液の戻りが悪くなるためです。この血圧の上下が激しい場合、立った時に急に血圧が下がり「立ちくらみ」が起こります。
ご家庭での測定は、「背もたれのある椅子に座って」がよろしいかと思います。

患者Q
手首の血圧計はどうなんでしょう?
ドクター
理論上は良いのですが、(解剖学上腕より手首の動脈は締めにくいので)測定値が不正確にでる可能性があり、上腕式のものがおすすめです。
ふくよかで腕にカフを巻くのがきつい方などは手首式でも良いと思います。その際は心臓の高さに手首をおいて測定してください。
患者Q
いつ、何回測定するの?
ドクター

昼夜イメージ画像できれば、1日2回で起床時と就寝前が良いです。1日1回であれば朝の測定を優先してください。
ベストは起きてから1時間以内で、排尿した後、朝食前(お薬を飲む前)になりますが、気になって測定するのが面倒になるくらいならいつでも構いません。
高血圧が原因となる心筋梗塞や脳出血を防ぐには、この早朝の血圧管理が大事とされています。でも、朝は忙しい方も多いですよね。無理せず就寝前1回でも十分です。就寝前(夕食後・お薬服用後)は早朝より血圧は低くなることが多いです。

患者Q
左右で血圧が違うんですが?
ドクター
収縮期血圧(上の血圧)で10mmHgまでの左右差は正常範囲です。気にする必要はありません。
左右で15mmHg以上も違うようであれば、血圧が低い方の腕の動脈硬化が起こるなどして血流が低下している可能性がありますので医師に相談しましょう。
患者Q
1日で血圧が一番高いのは?
ドクター
血圧は自律神経の影響をうけて1日の中でも変動します。就寝中が一番低く、起きてから活動するにつれて高くなります。日中は交感神経の方が副交感神経より優位なため血圧は高くなります。夜になるにしたがって副交感神経優位になり、血圧は低くなっていきます。
患者Q
血圧に影響を与えることが他にありますか?
ドクター
  • 激しい運動 → 高くなります。
  • 入浴 → 入り始めは(熱いお湯などかけると)高くなり、体が温まると低くなります。
  • アルコール → 少量だと下がります。ただし、長期間過量に飲むと高血圧の原因になります。
  • 食事 → 食後は低くなり、1時間ほどで戻ります。
  • 気温 → 暖かいと下がり、寒くなると高くなります。
  • 緊張や興奮 → 高くなります。

いかがでしたでしょうか。ご存じのものもあったかと思いますが、測定方法が間違っていたせいで血圧の薬が多かったり、逆に高血圧を放置することになっては大変です。
いま一度基本を見直してみましょう。

当院では、高血圧の治療・ご相談を行なっております。
検診で高血圧を指摘された、家庭血圧が高いなど、お困りの際にはお気軽にご相談ください。