こんにちは。
早や今年も7月です。
まだまだコロナに振り回されそうな本年ですが、スタッフ一同気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
開院してから後頭神経痛の患者さんが3人いらっしゃいました。
さて、今日は後頭神経痛についてお話しようと思います。
開院してから後頭神経痛の患者さんが3人いらっしゃいました。
よくある病気ですが、ご存じないと頭が急に痛くなるので、びっくりしてご来院されます。
もちろん、気をつけないといけない頭痛もありますから、
頭痛が起こると脳出血?脳梗塞?と心配になると思いますが、
もしその頭痛が今から述べるような典型例であれば慌てなくても大丈夫です。(痛みに応じてご来院はお勧めしますが、過度な心配は無用です。)
もとより頭痛には様々な種類(細分類では100種類以上)があり、原因のわからないものも多数あります。
その中で後頭神経痛は2004年の国際頭痛学会において、「後頭神経の支配領域で発生する、発作性の刺すような痛み」と定義されました。
頭痛には違いありませんが、昔から広く認識されていた片頭痛と比較すると、その原因や症状が全く違うことがわかります。
後頭神経痛の典型的な症状
- 頭皮を含む後頭部や側頭部・耳の後ろのズキズキした痛み
- 片方の首の根本あたりから始まる痛みもしくは、首の根本を押さえると痛みが強くなる
- ビリっと電気が走ったような痛み
- 首を動かすと悪化する痛み
- 中の方よりはどちらかというと表面で触るとピリピリする。
なぜ起こる?
後頭神経痛は、その名の通り、後頭神経の痛みです。
神経痛の一種で、他には顔面神経痛や三叉神経痛、坐骨神経痛、肋間神経痛などがよく知られています。つまり何らかの原因で神経が刺激を受けることによって発生する痛みになります。
同じ頭部に起こる顔面神経痛や三叉神経痛は帯状疱疹などのウイルス性神経炎である場合がありますが、後頭神経痛ではウイルスが原因の事はごく稀です。
※イラスト:The intramuscular course of the greater occipital nerve: novel findings with potential implications for operative interventions and occipital neuralgia:Surg Neurol Int. 2014 Oct 31;5:155. doi: 10.4103/2152-7806 Fig1より引用 改
後頭神経は大後頭神経と小後頭神経の2種類ありますが、その多くは大後頭神経が原因となります(そのため大後頭神経痛とよばれる先生もいます)。大後頭神経は脊髄神経から頸椎1~2番(C1,C2)で左右に分かれ、左と右は独立して首の付け根あたりから頭頂部に向かって走行します。
つまり、基本的には頭の片側だけ痛みで、後頭部から頭頂部を中心にピリピリします。
一方、小後頭神経は脊髄神経の頸椎C2~3から構成され、耳の後ろ側を走行します。
そのため小後頭神経痛の場合には片側の側頭部を中心に痛みが続きます。
後頭神経痛の原因の多くは首~後頭部の筋肉(主に下頭斜筋、下頭半棘筋、僧帽筋)による神経の圧迫とされています。つまり肩こりがひどい人や無理な姿勢を長時間とっていたりすると生じやすいです。ただし、特にこれといった誘引のない人もいます。
他に痛みを誘発する原因には、神経への直接的なダメージ(外傷/事故や癌の転移、首の過度な運動)などがあります。
治療
1~2週間ほどで自然軽快することが多いですが、その間痛みを押さえるために非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)を処方したり、神経痛用のお薬を処方することもあります。
軽い痛みであれば一旦は様子をみて頂いても良いかと思います。
またお困りの際にはお気軽にご相談ください。