こんにちは。

今日は「運動の秋」、適度な運動についての続編です。

前回は64歳までの持病のない方についてお話いたしました。

今回は、65歳以上の方・持病のある方についてお話します。

メッツの概念や
18歳~64歳の方の
運動量について

65歳以上の方

心臓への負担を考慮した目安になっています。

料理のイメージ画像若年者では運動に入らない3メッツ以下の活動も「身体活動」として扱うことが特徴です。
つまり、2メッツ程度のお料理や洗濯といった家事、ガーデニングやラジオ体操も運動にはいります。
十分な体力がある方は64歳までと同様に3メッツ以上の運動をしましょう。

運動をしている女性のイメージ画像65歳以上の方の推奨活動目安量は強度を問わず、身体活動を10メッツ・時/週行う。つまり、横になったままや座ったままでなければ家事でも体操でも散歩でもなんでもよいので、毎日40分行うといいでしょう。

運動の強さよりも、毎日継続して行うことが大事なんですね!

持病のある方

持病がある人は病気ごとに疾患別のガイドラインがあります。

日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会などそれぞれが独自のガイドラインで運動療法を推奨しています。
それぞれ内容が違いますので共通部分を噛み砕いて要約すると、『最大酸素摂取量の50%程度の運動を無理のない範囲で30分程度、定期的に行いましょう』となります。

補足・・・

最大酸素摂取量とは、その人個人が単位時間中にどれだけ酸素を消費できるか(最大値)を特殊な検査装置を用いて測定したものです。当然ながら、そんな専門の機関で測定することは通常無理ですので、最大酸素摂取量50%の運度というのは、全力の5割程度の運動、つまりすごくおおざっぱに言えば有酸素運動のことになります。

散歩胃イメージ画像具体的にいうと「息が切れないくらいの速さで歩く」を週数回30分程度を目安にしましょう。もちろん持病には個人差がありますので、「無理のない範囲」でが大事なんですね。

ちなみに…

ちなみに、日本のガイドラインは緩やかな指標ですが、アメリカの身体活動ガイドライン(2018)では、運動した結果に発生する危険(転倒、事故、心筋梗塞)は、運動しなかった場合に発生する危険(運動不足による致死的な出来事)に比べて低いため、可能なかぎり積極的に活動するよう勧められています。

余談ですが、こちらは人種・ライフスタイルが違うため参考程度にしておきましょう。
有名な研究に「米国人の身体活動ガイドラインを遵守すると死亡率が40%以上下がる(BMJ)」というものがありますが、完全に遵守できていたグループは全体の15.9%しかいません。また比較対象が「運動不足軍」であり、極度の運動不足の人に大きな「バイアス」がかかっている可能性があります。アメリカ人の運動不足は日本人の運動不足の比ではありませんからね。

今週も晴天が続きそうです。

今、そしてこれからの健康のため「適度な運動」、参考にしてみて下さいね。